■インタビュー
…作詞家 荒川利夫…

【プロフィール】 昭和11年、寿司屋の長男として、東京・池袋に生まれる。昭和30年、作詞家・松井由利夫氏に師事、石本美由起氏主宰の新歌謡界誌を紹介され、本格的に作詞家をめざす。昭和33年、日本コロンビアレコード(株)より「暫くでした東京さん」作曲:船村徹、歌:青木光一でデビュー。代表作品に「熱海の夜」「抱擁」「夫婦舟」「夫婦川」「人生」「浮草情話」「おんな」「雨夜酒」「かくれ傘」「午前さま」など多数。今春3月18日には「ごもっとも節」「赤ちょうちん」(歌:金田たつえ)が日本コロンビア(株)より発売される。現在、国分寺市本多在住。

 三笠優子の「夫婦舟」、五木ひろしの「港別れ風」、箱崎晋一郎の「熱海の夜」「抱擁」etc…。ご存知、これらの演歌を作詞したのが、この人、荒川利夫さんだ。
「10代の頃から、歌手を目指してこの世界に入ったんです。ところが三橋美智也さんの歌に出会って、これはかなわないなと……」いさぎよく歌の道から作詞家へと転身。そこで才能が開花した。20代になってすぐに、「暫くでした東京さん」でデビュー。以来、42年間に渡り、50人近い演歌歌手のために、500〜600もの詩を作り続けてきた。
「私は本当に“福”に恵まれたと思います。新人歌手のデビュー曲を作詞することも多かったし、素晴らしい作曲家やプロデューサーの方々とも会えた。そして、聞いてくださる皆さんがいて……。そうやって生きてこられたんだなと、つくづく思うんですよ」
自らを酒好きと称する荒川さんは、国分寺駅界隈の居酒屋へも、よく出かけるのだとか。「居酒屋にはふれあいがある、あれが好きですね。身近なニュースが詩の実になる、頭に栄養が吸収される気がしますね」滅多に素性を明かすことはないが、たまには演歌談義に花が咲き、店で知り合いになった人と盛り上がって、「こんな歌作ってよ」と頼まれることも。気取らない雰囲気の荒川さんならではのことだろう。
「詩は自分だけで書いているのではだめ。常に大衆を意識していないと、皆が口に乗せてくれる歌にはならないです。そういう意味では、商店と同じ、“商品”という視点をもつことが必要なんです」
ぜひ一度、盃を酌み交わしてみたい……そんな人だ。





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