…ジョロウグモ… 日本蜘蛛学会自然保護委員会・委員長 新海栄一
オニヤンマ
 国分寺市のクモで最もよく目立つクモはジョロウグモでしょう。
ジョロウグモは「秋の空の女王」と呼ばれるように、9月から10月にかけて、雑木林や山道、人家の周囲、寺院や神社の木々の間に大きな金色の網をはります。
 ジョロウグモは5月下旬にふ化して、卵のうと呼ばれる袋から出てきます。卵のうから出た子グモたちは1ケ所に集まります。これを「まどい」といいます。まどいの期間は5日から1週間続きます。その間にこの子グモたちにさわったり、息をかけたりすると、いっせいに分散し「クモの子を散らす」という現象が見られます。
 まどいの期間が終わると、子グモたちは次々と木々にのぼり、糸を流して風にのって飛んで行きます。この分散方法は「バルーニング」と呼ばれ、ほとんどの子グモたちが行います。
 7〜8月にかけてたくさんのエサを食べたクモは急激に大きくなり、8月になるとオスの成体が見られます。オスは成体になると横糸を出す糸腺がなくなってしまいます。自分で網をはることができなくなり、仕方が無くメスの網に行って居候生活をします。
 産卵期は10月〜11月で、白色楕円形の卵のうを、樹皮上、建物のかべや柱、広葉樹の葉裏などに作ります。卵は産卵後数時間で発生が止まり、そのまま越冬して、翌年5月から再び発生が進み、5月下旬にふ化します。

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