■インタビュー
…画家/フレデリック・ハリス…

【プロフィール】  11932年ニューヨーク市生まれ。1961年ロサンゼルス市アートセンター・カレッジオブデザイン卒。1996年オハイオ州立大客員教授、同大名誉博士。現合衆国海軍公式アーティスト。米国議会図書館アジア地域代表顧問。NHK賞、文部大臣賞、東京都知事賞等受賞。パブリックサービス勲功賞(米海軍)等受賞。個展東京、香港、ハノイ他多数。著書「墨絵巡礼」(ジャパンタイムス出版)他多数。

 国分寺市役所に入るとカウンター右側の壁に、農婦が寺の軒先で休む光景が描かれた「まどろみ」という絵が掛けられている。フレデリック・ハリス氏の筆によるものだ。
ハリス氏は国分寺在住のアメリカ人画家。彼の作品「富士山」は、昨年「日米交流150周年記念切手」のデザインに採用された。「絵筆を手に持って生まれてきたようなもの」と自ら語るように、ハリス氏は幼いころから絵を書くことに人一倍の興味を示していた。
 朝鮮戦争に兵士として駆り出されていたハリス氏は、戦争後来日。そこで人生を変える出来事が訪れる。奥様の和子さんとの出会いである。「妻と一緒に国分寺に住み始めたのは、今から50年も前です。当時は水を汲むのが、水道ではなく井戸からだったりして、素朴でしたが良い生活をしていましたよ。国立あたりでは馬が走っていたりして面白かった」また、当時の日本のお風呂が木製の浴槽だったのも、アメリカ人であるハリス氏の目には不思議なものとして映った。
 「国分寺は町並みも自然も美しく、とても気に入りました。人々もとてもウェルカムだし。今では外国人としてではなく、コミュニティの一員として受け入れられている気持ちがします」とうれしそうに語る。
「日本はアーティストが暮らす国として、いい国だと思います。伝統的なものを大切にする精神がすばらしい」そんなハリス氏のお気に入りの写生スポットは、神社仏閣。日本に来て以来50年以上もの間、国内各地を旅して、神社や寺の墨絵を描いてきた。「建てられた当時の状態を非常によく保存してある社寺や、再建、修復されたものを巡り歩くことは、日本の精神を学ぶ上で有意義な経験ですね」国分寺では内藤神社によくスケッチブックを持って出かけるとか。
今現在とりかかっている作品は、国分寺祭りを描いたもの。その絵は、5月8日から銀座養清堂画廊で開かれるハリス氏の個展で公開される。是非足を運んでほしい。 「Kokubunji is my JIMOTO!」それまで英語で話していたハリスさんが笑いながら、日本語で「地元」と言ってくれたのが心に残った。


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