わが町の有名人
ダンス講師
郭 在祐さん
柔和な面持ち、誠意ある語り。郭在祐さんには誰もが親しみを覚えるに違いない。
1985年に祖国・韓国を後にして20年。日本美術史を勉強するために留学し、学芸大学、慶応大学、学習院大学のそれぞれの大学院で3年間学んだ。96年には学習院大学大学院で留学生としては初めて哲学(日本美術史)博士号を取得。
喜びもひとしおだった。非常勤講師の仕事にも就けた。ホッとひと息ついたそんな折り、市報に載っていたダンスサークルの会員募集の記事が目に留まる。
「10年もろくに運動していなかったんです。国際化時代ですから、ダンスができるとコミュニケーションにも役立つかなと思って。みなさん温かい人ばかりで、いろいろと面倒を見ていただきました」
努力家の郭さんはたった2年で地域インストラクターの資格を取得。周囲の人からの勧めもあって、サークルを立ち上げることになる。郭さんの人となりを慕って多くの人が集まり、今では社交ダンスの他に、韓国語、日本画、ステンシルを教えるKAKUカルチャースクールを運営する。
「国分寺は人と人とのつながりが深い街。東恋ケ窪、本町、本多、日吉、戸倉と、国分寺を転々と引っ越してきましたが、どこも素朴な感じがしてホッとします」
アパートが借りられないなど、ときには差別を受けることもあった。けれど、郭さんは「良い人も悪い人もいます。どちらの人と多くつきあうかです」と言う。20年の歳月のうちに、家族や親のように付きあえる人とも出会えた。
「日本で韓流ブームがあるように、韓国でも日本ブームが起きています。政治的な問題はいろいろあっても、民間レベルで互いの国に親しみをもつのはとても いいこと」郭さんは韓流スターにも負けない笑顔でそう言った。
写真−郭 在佑さん
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