■インタビュー
…俳優/山谷初男さん…

【プロフィール】  1933年12月9日秋田県出身。1953年劇団東芸で舞台「ホタルの歌」三吉役で初舞台。66年、「裏切りの季節」で映画デビュー。主な出演映画作品は「八月の濡れた砂」「天城越え」「キッズ・リターン」。テレビ「国盗り物語」「夏子の酒」「いちばん星」。舞台作品「王女メディア」「オイディプス王」等。74年に「山谷初男の放浪詩集新宿」をリリース。

 「取材は苦手で……いろいろと質問されると困ってしまうんです。」と苦笑いする山谷初男さん。怪優とも呼ばれる名バイ・プレイヤーの意外な一面である。
高校を卒業して、秋田から上京。何になろうか、と考えたとき、それまで好きだった役者の道を選んだ。漬物屋や新聞配達のアルバイトをしながら、小さな劇団を転々とする。小沢昭一氏に気に入られ、俳優小劇場にはとくに長くいた。
 初舞台は20歳のとき。その後、映画やテレビなどへも出演する。でもやはり舞台が好きだと山谷さんは言う。「舞台は何より、お客さんの反応を肌で感じながら演じるのが魅力。稽古も長いからセリフもしっかり覚えられる。テレビや映画のようにブツ切りに撮影していくのと違って、話の筋道通りに演じていくから、自分なりに役を『作り上げていく』という感じがします」
 そんな山谷さんが国分寺に引っ越してきたのは1964年、東京オリンピックの年。「昔は国分寺も畑ばかりでしたよね。よそのお家の土地で焚き火なんかする人もいたりして、のどかなもんでした。今は区画整理も進んで、緑も減ってしまいましたけれどね。それでも今、新宿や六本木の土地をあげると言われてもいらない。国分寺がいいですね」
 健康のためにお酒をやめて、市民プールへ泳ぎに行ったりもされているとか。「年齢とともに悪役が少なくなって、善い人の役ばかりくるようになってしまった」と言われるが、活躍の場はますます広がる。
 昨年10月にはいずみホールでコンサートを行い、歌手としての腕前を披露、好評を博した。この4月からは「美輪明宏版『愛の讃歌』でルテアトル銀座を始め、各地での公演が決まっている。国分寺を愛する名優の演技にぜひ触れておきたい。


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