「さわやかプラザもとまち」は高齢者のための複合施設。サークルが会合を開いたり、高齢者向けのイベントを行なったり、入浴や食事の介護を行なったりする場となっている。大橋俊郎さんはそれを運営するＮＰＯ法人あおぞらの理事長だ。 「国分寺市東部に公設・公営の高齢者向け施設がなかった。それで市民グループの呼びかけで高齢者複合サービス施設を作ろうと署名を集めたのがことの始まりです」
　それが平成11年８月のこと。署名を市に提出して、平成13年にようやく「東元町高齢者複合施設建設促進連絡会」が設立される。建設に適した土地を探したり、ワークショップを行なって建物の図面を決めたり、そうしてようやく今年４月、開館し、事業が始まった。
「公設とはいえ、運営はＮＰＯとして任されていますから、資金集めをしなければならず大変でした。運営スタッフにボランティアで参加してくれる人を探しました。経理や清掃などさまざまな部署に、プロフェッショナルな人材が集まりました」
「さわやかプラザもとまち」を訪れてみると、まるでサロンのようだ。「高齢者施設」という言葉からイメージする堅苦しい雰囲気はない。隣接する児童館から子供たちがやってきて、１階の喫茶室で勉強したり、談話したりする風景も見られる。先日は大学の落語研究会を招いて寄席が開かれ、異世代交流の場となった。
「皆さんを、『いらっしゃい』というのではなく、『おかえりなさい』という気持ちで迎えています。高齢者を孤独にしないこと、これがとても重要です。一人暮らしの高齢者に声をかけて、集える拠点となりたい。年寄り＝弱者というイメージをかえたいですね。そして、結果的にここに集まってきた高齢者が精神的・肉体的に元気になってくれることを願っています」

写真上−大橋俊郎さん